2018年5月7日月曜日

余命3か月のウソ

昨年暮れ肝臓にガンが見つかった時、医師は「ステージ4。昔なら余命3~6か月」と診断された。その時、ぽか~んとした自分。以降、治療を受けるにつれ副作用がきつく、食欲が減退したことはすでに書いた。5か月経ったけどぼくは生きています。

近く首都圏在住の高校の同級会があるのだが、幹事が「北岡君がガンだから彼のスケジュールを優先する」と案内に書き、念の入ったことに「特別メニュー」をオーダーするという。「止めてください!」とぼくは強く抗議した。ガンに効く特別メニューなんてあるはずがない。

昨日6日、今日7日、食べることに最重点を置き、食べ残すことを止めた。これで少しは痩せるのを阻止できるかもしれない、とけなげな気分。
明日は浜松でガン・サバイバーに会います。ガンになって3度目。LAで会ったことがあるのですが、帰国後、ぼくが日大の教員となって、静岡市で現役の記者らを集め勉強会を開いたらそこへ彼女が顔を出した。

少しづつLA時代を思い出し、浜松で会ったら彼女が3度ガンに罹ったことを知った。ご主人もガンで亡くした。なのに彼女はピンピンしている。そこがガンの不思議、面白いところ。彼女からもらった文庫本が凄い。ノーマン・カズンズ著『笑いと治癒力』(岩波現代文庫)

第二章に「神秘的なプラシーボ」というタイトルがあって、そこを読むと「プラシーボ」という偽薬(何の効用もないニセ薬)の存在が詳しく書かれている。病気になって病院へゆくとプラシーボと本物の製薬とを別々の患者に与えると治った結果は同じ、という研究論文があるそうです。ウソみたいなホントの話。

人間には体内に「医者」がいて、それを呼び覚ますだけで大抵の病気は自分で治すのだそうです。抗がん剤であろうが、偽薬であろうが結果は同じ、というデータの蓄積と分析が学会で発表され、大いに驚かせた。今ではそのプラシーボの研究が進んでいる。

著者・カズンズはアメリカ人ジャーナリストですが、アフリカの占術医の話がめちゃ面白い。中国の漢方医も同じでしょうが、近代医学に比肩する実力がある。このプラシーボの話、いずれ詳しく書くね。ジャーナリストって、けっこうおもしろい商売だよ。

明日は朝が早いからもう寝よっ!

1 件のコメント:

  1. 周囲には、癌と共生しておられる方が少なくありません。小生が小学六年生の時、祖母は胃癌で亡くなりました。それ以来、癌の情報は、脳裏に残るようになりましたが、医学の飛躍的進歩と人体のメカニズムの解明で、自己治癒力があることがわかってきました。最近の研究成果と言われる内容の多くが、60年安保の頃に、医者の間で語られ、母が聞いてきたことでした。学閥の影響で、発表が遅れたり、過去の学説で有名な恩師の存命中に発表できなかったりしたのは、医者の友人や医療ジャーナリストから度々耳にしました。ジャーナリストとして、自らの体験をリアルタイムで公開されておられることに敬意を表します。癌と共存し、生活の質が徐々に戻ることを心より祈念しています。

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