2018年2月19日月曜日

珈琲一杯の至福

2月19日(月)8時20分に病院に着いたら未だ受付が始まっていない。10分ほど待たされて受け付けてもらい、主治医の部屋の前で待った。彼は元順天堂大学教授だった肝臓の専門医であり、今は茅ヶ崎市にある大きな総合病院の院長である。医者ぶらない柔らかな人格、日本ペンクラブのメンバーだというから文人の一面もあるはず。
大阪での治験治療の結果を報告し、2月中は毎週、3月に入ると隔週の診察となることを告げた。簡単な会話で終わり、近く、医師と患者のガンをめぐる往復書簡をメールで始めようと話し合った。
病院のシャトルバスで茅ヶ崎駅へ出て、北口の喫茶店に入る。半世紀前、ぼくが学生だった頃、豪華な内装の喫茶店でブレンドコーヒーを飲むのがとてつもない贅沢だった。「名曲喫茶」なんてのがあった。この駅の側のビルの2階にある喫茶店は、その面影を残している。
階段を上がるとドアの脇に花籠を咥えた陶器の黒い犬が客を出迎える。中に入ると洋風の内装で、椅子は木製だ。しかしこの喫茶店もぼくのように「老化」が進行している。珈琲一杯に焼いた食パン二切れ、それに卵とサラダなのだろう、細切りのキャベツとトマトが一切れ。それで朝食セット550円は安い。しかもこのコーヒーが実に美味しい。
至福の気分に満たされ珈琲を飲んだ。ここでベートーベンでも流れたら完璧だ。
ぼく、ホントにガン患者なのかしら。

1 件のコメント:

  1. 自己の細胞変化すら取材対象にしてしまうとは。。。やはりDNAレベルで記者魂が刻み込まれているのだと感銘を受けつつ拝読しております。
    紺碧空に白鳥舞う岩手の温泉にもお越しあれ。(半)

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